くず餅の老舗「船橋屋」が2005年にオープンしたのが「船橋屋 こよみ」だ。ここでは、昔ながらの伝統を活かしつつ、洋の要素も取り入れた“和のスイーツ”を展開している。喫茶スペースは、大正モダンな雰囲気が漂う“和バール”スタイルで、スイーツのほかに厳選素材の食事やアルコールも楽しめる。“こよみ”という店名にも表わされるように、四季折々の食材を使ったスイーツは、月替わりでメニューが更新される。
名物のくず餅に、アイスクリームを載せ、玄米フレークをトッピングした“クリームくず餅玄米フレーク添え”は、香ばしいきな粉と秘伝の黒糖蜜をからめると、風味が増しておいしい。15ヶ月間発酵させたくず餅は、もっちりとした食感が特徴。
ふるふると口の中でとろけ、つるんとすっきりした喉ごし。喉ごしで楽しむデザートが汁菓子だ。「汁菓子 siruka」のデザートの儚くも淡い食感は、伝統の製法と丹念な手仕事によって生み出されている。独自の配合で調理された寒天、北海道産の有機小豆を炊くところから店で行う餡、オーダーを受けてから茹でる白玉、そして季節の果実を添えた“フルーツあんみつ”は、このお店のこだわりが凝縮した定番メニューだ。
定番の“フルーツあんみつ”や、白玉の代わりにちぎり寒天を使った冷たいお汁粉、沖縄の紫芋を使った“紫芋冷汁粉”といった和スイーツだけでなく、杏仁豆腐やアイスクリームといった各国のスイーツもそろっている。シンプルな見た目と裏腹な食感に驚かされる。